ZEN LIFE

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トスカニーニ&NBC交響楽団 ブラームス 交響曲1番 大学祝典序曲 ハンガリー舞曲

今回はブラームス1番。1951年11月6日カーネギーホールでの録音。

すっきりした演奏だ。リマスタリングがいいのだろう、すごく自然な音だ。

70年も前の録音なのが信じられない。先入観が吹っ飛んでしまった。これは知り合いの名曲喫茶でタンノイで鳴らしてみたい。

第一楽章、速いテンポでキビキビしてて気分が盛り上がる。ティンパニーが良い!きつすぎず、心に響く。フォルテがどぎつすぎない。これをブルックナーマーラーみたく、バリバリやられたら、しんどい。Hrも抑揚が効いており、素晴らしい。トスカニーニは実はブラームスがお好きなんだ。特にこの楽章はノリノリだ。音楽がうねってるのだ。第二楽章、ゆったりたっぷりだ。低弦パートが良い。Obのソロものびのび吹いている。Clとの掛け合いも見事。コンマスさんとHrのトットィ?も良い。こういう楽章の緊張感と開放感が素晴らしい。弱音でのアンサンブルに乱れがないのは流石だ。第3楽章、Clの心地よい響き、木管群の演奏力は凄い。職人ばかりだ。フィナーレ、これも良い出だし。おどろおどろしい雰囲気満点。一転、Hrの雄たけび。朗々として大好きだ。

Tbのコラール、実に上手い。ここから先は一気に聴かせる。息つく暇もない素晴らしさ。実に溌溂とした演奏で胸がすくとはこのことだ。

この演奏は良い。オケ全員が火の玉のように突き進む。もっと大勢の人が聴くべきCDだ。トスカニーニに偏見のある方々に是非聴いてもらいたい。ただ、後半のティンパニーは楽譜より多くないかな。演奏の効果は高いから良いんだけど。

大学祝典序曲は、1948年11月6日NBC放送局のスタジオ録音。少し乾き気味の音。これは典型的なトスカニーニの音だ。メリハリが効きすぎで弦が少し耳障り。慣れるまで少し時間がかかる。音楽自体は艶やかな演奏なはず。

最後はハンガリー舞曲1番17番20番21番。コンサートのアンコールでよく演奏される。1953年2月17日カーネギーホールでの録音。こういう曲はお手のものだろう。いい演奏だ。録音も良い。特に20番。哀愁を帯びた弦のアンサンブルが最高だ。

 

とても良いCDに仕上がった一枚だ。特に交響曲1番はこの曲の名盤にふさわしい白熱の演奏だと思う。